――舞鶴のパーム油発電反対運動は、間違っていなかった
鳥取県米子市で稼働していた木質バイオマス発電所が、
損失約100億円という巨額の赤字を残して撤退することが明らかになりました。
事業主体は、中部電力を中心とする大手企業グループ。
決して、経営判断が甘い小規模事業者ではありません。
それでも――
火災事故、復旧費、安全対策費、採算悪化。
最終的に「事業継続は不可能」という結論に至りました。
これは一地方の失敗事例ではありません。
日本のバイオマス発電が抱える構造的なリスクが、現実の数字として表に出た出来事です。
舞鶴では、同じ危険性を“当時から”訴えてきました
舞鶴で計画されていたパーム油発電所。
私たちは当時から、感情論ではなく、事実と構造に基づいて反対してきました。
- 燃料は輸入依存で、物流リスクが極めて高いこと
- 大量貯蔵・搬送設備が、火災や事故の温床になり得ること
- 「再生可能エネルギー」という言葉とは裏腹に、
パーム油は森林破壊・CO₂排出の問題を抱えていること - 事故や撤退が起きた場合、
最終的に誰が責任を取るのかが曖昧であること
これらはすべて、
「もし失敗したらどうなるのか」という 最悪シナリオの提示でした。
米子で起きたことは、
その「最悪シナリオ」が決して机上の空論ではなかったことを、はっきりと示しています。

舞鶴は“助かった”のではない
“市民が止めた”のです
よく言われます。
「結果的に舞鶴では建たなかったのだから、よかったじゃないか」と。
しかし、それは違います。
舞鶴でパーム油発電所が建たなかったのは、
偶然でも、行政の英断でもありません。
市民が問題点を洗い出し、論理で示し、
事業として成立しないことを明らかにした結果です。
その後、事業者が撤退した事実が、すべてを物語っています。
そして今、
米子では同種のバイオマス発電が 100億円の損失を出して終わった。
この対比は、
舞鶴の反対運動が「感情的だった」「過剰だった」という評価を、完全に否定します。
にもかかわらず、舞鶴市と市議会はどうだったか
残念ながら、当時の舞鶴市役所や市議会は、
- 市民の指摘を正面から検証せず
- 「問題はない」という説明を繰り返し
- 結果として事業が消えた後も、
自らの判断を総括しようとしませんでした
失敗を認めない組織は、同じ失敗を繰り返します。
今回の米子の事例は、
舞鶴市にとって「答え合わせ」の機会です。
いま必要なのは、謝罪でも対立でもありません
私たちが求めているのは、
誰かを吊し上げることではありません。
必要なのは、ただ一つ。
「あの時、市民が指摘していたリスクは正しかった」
そう認めたうえで、改めて市民と向き合うこと。
それだけです。
- なぜ十分な検証が行われなかったのか
- なぜ市民の声が届かなかったのか
- 次に同じ提案が来たとき、どう判断するのか
これを整理し、市民に説明することこそが、
行政と議会の責任ではないでしょうか。
対立から、成熟へ
舞鶴のバイオマス問題は、
市民オンブズマン舞鶴、そして「やばいぜ舞鶴」が生まれるきっかけになりました。
それは、対立を望んだからではありません。
向き合ってもらえなかったから、記録し、問い続ける道を選んだのです。
米子の100億円損失という現実を前に、
もう一度、立ち止まる時ではないでしょうか。
舞鶴市役所、そして舞鶴市議会の皆さんへ。
ええ加減、過去から目を背けるのをやめ、
市民と真正面から向き合いましょう。
それができてこそ、
「同じ失敗を繰り返さない自治体」になれるのだと、私は信じています。


